韓国の証券市場で、最高値の更新が続いている。北朝鮮のミサイル発射の挑発が続いているが、今のところまったく影響を受けていない。
大企業の業績も好調だが、なぜか、韓国の財閥幹部は笑顔一杯とはまったく言えない状況だ。新政権の財閥政策が見えず、楽観的な声が聞こえてこない。
韓国の総合株価指数であるKOSPIが5月に入ってから上昇を続けている。早朝に北朝鮮の弾道ミサイル発射が伝えられた2017年5月29日も、一時は、最高値を更新した。結局、2.33ポイント下落の2352.97ポイントで、証券市場では「6月に2400ポイントを突破する」という期待が高まっている。
北朝鮮挑発でも、株価、連日最高値
2017年初めには、KOSPIは2000ポイントを超えるかどうかという水準だった。1月2日は2026だった。ところが、その後ぐんぐん上昇し続けた。あっという間に、2100、2200を超え、ついに過去最高水準を連日更新するほどになった。
どうしてこんなになっていいるのか。
以前なら、北朝鮮のミサイル発射など挑発行為が続くと外国人投資家の資金引き揚げがあって株価は下落するか弱含みになった。ところがどうだろうか。「北風」にもまったく動じない株価高騰が続いているのだ。
1つの理由は、企業業績が好調なことだ。
韓国取引所が5月16日までに上場企業536社の2017年1月-3月期の業績を集計した結果、売上高合計は456兆ウォン、営業利益は39兆ウォンでそれぞれ前年同期比で8.4%増、25.3増になった。
好調な企業業績、サムスンももちろん最高値
いずれも連結財務指標を導入した2012年以降では最高値となった。
半導体、化学という2大業種の業績が圧倒的だった。両業種ともに関連企業数が少なくなく、上場企業全体の業績を押し上げた。
もう1つの理由は、企業の中でもサムスン電子の業績、株価が史上最高水準を更新していることだ。KOSPI全体の時価総額に占めるサムスン電子の比率は25%に達する。