働き方改革では、残業時間の削減や、家庭と仕事の両立支援、柔軟な働き方の環境整備などの施策が実施される。しかし、そのような施策を実施する際は、そもそも組織として何を目指すのか、その実現のためにどのような人材が必要で、その人材がどのような働き方が求められるかを明確にしておかないと、考え方にブレが出てきてしまう。
社員の働き方は、職種やワークスタイル、社員の置かれている環境などによって変わってくる。社員一人ひとりの状況を踏まえつつ、組織や働き方の目指す姿に向かうベクトルの中で施策を考えることによって、軸を持った働き方改革が推進できる。
今回は、働き方改革を進めていく際の軸となる「目指す組織・人材像」および「目指す働き方像」について考えていく。
◎連載「働き方改革を進めるポイント」(バックナンバー)
(第1回)会社が働き方を変える前に必ずやっておくべきこと
(第2回)なぜ社員は帰れないのか?要因ごとに残業を削減する
(第3回)同時に実現すべき女性活躍と働き方改革
【1】 目指す組織・人材像の明確化
目指す人材像を考える前に、まずは組織の目指す姿を確認する。
例えば、総務部門でテレワークの導入を検討する場合、テレワークを導入することによって移動時間が短くなるので時間効率は良くなる。一方、フェイス・トゥ・フェイスできめ細かな社員対応ができなくなることにより、社員へのサービスレベルが低下することも考えられる。