(1)制度・ルール
「現在の仕事における最適な労働時間管理はどのようなものか?」「現在の働き方における成果や行動が納得性あるように評価されるにはどのような評価制度がいいか?」など、労働時間、勤務形態、人事制度について考える。

(2)業務・マネジメント
「生産性の高い業務のやり方はどのようなものか?(インプットとアウトプットの状態)」「ありたい働き方においてどのようなマネジメントが最適か?」など業務のあり方とマネジメントスタイルについて考える。

(3)環境・ツール
「自部署のワークスタイルに合った仕事がしやすい環境とは?」「コミュニケーションしやすいオフィスのレイアウトやICTツールはどのようなものか?」など仕事環境や整備ツールについて検討する。

(4)意識・風土
「働きやすい職場の雰囲気とは?」「お互いの働き方を認め合い、相互尊重できるような風土とは?」など社員の意識や組織風土について確認する。

 ここでは制約を設けず、目指す組織・人材像を見据えて、どのような働き方が良いかを発想する。当然、目指す働き方像を実現するためには、いろいろな制約を考慮して見直し施策を検討する。しかし、この段階で制約を設けると働きたいと思うようなアイデアが出てきにくい。現状にとらわれず発想する。

 またここでは、社員の「ウェルビーイング」にも目を向けたい。ウェルビーイングとは、幸福、福利、健康という意味である。目指したい働き方は、その人の価値感に影響を受ける。最近のワークライフバランスの進展やエイジフリー化(生涯現役化)の流れにより、仕事や組織というワークの領域だけでなく、家庭や健康、趣味等を含めたライフの領域も検討領域として捉えないと、目指す働き方像はカバーしきれなくなっている。ライフの領域でも施策を検討できる領域とそうでない領域がある。そこを見極めながら、ありたい働き方を発想する。

 働き方の目指す姿が明確になった後には、働き方改革の「目標値」を設定したい。働き方改革では残業時間削減などを目標値として掲げることがある。組織によって重点は異なるが、目指すところは投入時間の削減だけでなく付加価値の増大も含めた生産性の向上である。組織の目指す姿に応じた自組織に合った生産性向上の指標を設定する。