その仕事をカフェでするのは間違っている!

「カフェでの作業ははかどるか」の心理学(前篇)

2017.04.14(Fri)漆原 次郎

男性は近くに女性がいることで社会的促進が起きる

――カフェなどの、身の回りにいる状況で生じる社会的促進の程度は、どのくらいのものなのでしょうか?

請園 これについては人それぞれ個人差があるので、一概にどのくらいはかどるかは言い切れません。人によっては、通常より30〜40%増しで捗る人もいるかもしれませんし、人によっては10%増し止まりかもしれません。

 けれども、統計学的に考えたとき有意差は確実にあります。それが社会的促進であれ、逆に社会的抑制であれ、ほぼすべての人に変化が起きるとはいえます。

――個人差があるということですね。個人差はどうして生じるのでしょう?

請園 人それぞれに、何を大切にしたり欲求したりしているかが異なるからです。

 たとえば、自己呈示説という説では、別の人がいる前では自分自身の能力を提示したい欲求が生じ、それにより覚醒度が高まって、結果としてパフォーマンスが上がると説明されています。その「自己を呈示したい」という欲求が強い人は、人がいる中では張り切って作業が進むでしょう。

 また、評価懸念といって、「自分は他の人たちから評価されているかもしれない」という気持ちから覚醒度が高まるという説明もあります。「他の人に見られている」という意識が強い人も、単純作業や慣れている作業は進むかもしれません。

 面白い研究では、「異性がいる前で社会的促進はどのように起きるか」を調べたものがあります。男性の場合、身の回りに女性がいるほうが、男性がいるよりときも社会的促進が起こりやすく、一方、女性の場合は、身の回りに男性がいても女性がいても促進について差がなかったという報告があります。

 人によって、何を大切にしたり欲求したりするかは異なるので、個人差が生じるわけです。

(後篇へつづく)

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