3回にわたって、半導体メーカーと装置メーカーの共進化および共退化現象を見てきた。結局のところ、日本半導体が凋落したのは、露光装置およびドライエッチング装置などの微細加工装置産業の衰退に一因があったと言える。

 では、もはや、日本半導体産業および製造装置産業に復活の希望はないのだろうか?

 筆者は、装置産業の分析から、1つの光明を見出した。日本には依然として高い競争力を持つ分野があるのである 。そこに1つの活路がある。それは一体何か?

 答えは洗浄技術である。

 えっ、洗浄? 単にウエハを洗う単純な技術でしょ? それが、日本の活路になるだって? そんな馬鹿な! と思うかもしれない。

 実は、筆者も半導体の微細加工技術者だった頃、「洗浄なんて単に洗っているだけだろ?」とあなどっていた。現在でも、多くの半導体技術者や経営者がこのように思っているはずだ。

 ところがこれは大きな間違いである。以下に順を追って説明しよう。

日本が世界シェア50%以上を握る装置とは

 全ての半導体製造装置の中から、売上高が大きい8分野を図1に示す。露光装置が群を抜き、ドライエッチング装置が続いている。

図1 主要な半導体製造装置の世界市場売上高の推移
(Electric Journal 『半導体製造装置データブック』を基に筆者作成)