韓国の憲法裁判所は2017年3月10日にも、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領(職務権限停止中)に対する弾劾訴追案の結論を発表する。弾劾なのか、即時職務復帰なのか。その後は何が起きるのか。韓国の政局は依然として激震が続いている。
韓国メディアによると、憲法裁判所は3月8日にも弾劾審理の結論を発表する日を明らかにするという。3月10日あるいは、13日が有力視されている。
ものものしい警護、周辺では集会
ふだんなら国民の関心を集めることがない憲法裁判所だが、いまは李貞美(イ・ジョンミ=1962年生)所長権限代行の出勤風景はそれだけでニュースになる。大統領の弾劾訴追案の審理が大詰めを迎えているからだ。
憲法裁判所の周辺では、弾劾反対派、賛成派の集会が連日開かれている。7日にも両陣営の集会が開かれた。
李貞美氏の出勤・退勤の様子を見ると、ものものしい警備がついている。
大統領弾劾訴追案審理は、9人の裁判官のうち7人の参加が必須だ。すでにそのうちの1人である所長は1月末に任期切れで退任し、8人になっている。万一、あと2人に「不測の事態」が起きれば、弾劾訴追案の審理そのものができなくなる。警備が厳重なのは、そのためだ。
8人の裁判官は、連日、超緊張状態のはずだ。盗聴防止装置がついた執務室や会議室で、週末も関係なく連日、資料の読み込みや会議を続けている。
そんな生活もあとわずかだ。李貞美氏の憲法裁判所裁判官としての任期はそもそも3月13日までだ。13日に結論を発表する場合、午前中に弾劾審理の結果を発表し、午後に、離任式というあわただしい1日になる。
任期ぎりぎりに歴史的な結論を下すことになったのだ。
結論は、弾劾か棄却か
結論は、3つのうちの1つだ。「弾劾」、「棄却」、「却下」。
このうち、訴追手続きなどに問題があったことなどが理由となる「却下」については、「理論上はあり得るが、現時点で、可能性はほぼない」(法曹界関係者)という見方が支配的だ。
となると、残りは、大統領を罷免する「弾劾」か、「棄却」のどちらかだ。