証券市場でデマが飛び交うことはよくあるが、こんな不謹慎なデマが飛び交うとは・・・。
韓国の証券市場で、「サムスングループの会長死亡」という情報が駆け巡り、一時は一部サムスングループ企業の株価が大きく動く事態になった。
2016年6月30日、昼食から戻ろうとしていた時、韓国の大手紙の経済担当デスクから電話があった。
昼食時に駆け巡った「カカオ」
「カカオ見た? 事実じゃないみたいだけど・・・」
いきなりこう話され、何のことだか一瞬分からなかった。このデスクは、午後1時前、会社の同僚と昼食中に部下から電話があったという。
「李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)サムスングループ会長が死亡したという情報が飛び交っています」
びっくりしてすぐに会社に戻ると、この話題で持ちきりだった。
このデスクには来なかったらしいが、同僚がSNSサービス「カカオトーク」のスマートフォンの画面を見せてくれたという。「カカオ」の加入者は4800万人と言われている。巨大な「メディア」だ。
「(速報)サムスン李健熙会長死亡」とあった。その後に、「続報」がどんどん送られてくる。
「李健熙会長死亡、青瓦台(大統領府)に報告」
「サムスン電子、会長の死亡確認」
「サムスン、午後3時に緊急記者会見」
「カカオ」の「ニュース」はあっという間に、拡散していった。この「デマ速報」は正午ころに広まり始めたようだ。