中国主導で発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の韓国出身の副総裁が突然「休職」した。韓国にとっては念願だった国際的な金融機関の重要ポストに就任してわずか4カ月のことだ。
韓国で表面化した大宇造船海洋の各種の疑惑に関連して休職することになったと見られている。
2016年6月25日 AIIBは北京で初の年次総会を開催した。金立群総裁は、57の加盟国に加えて新たに24カ国が加盟を求めていることなどを明らかにするなど、AIIBの存在を大々的に発表する重要な行事だった。
この総会の直前に韓国出身の洪起沢(ホン・ギテク=1952年生)副総裁が6カ月の「休職」を申請し、27日付で休職期間に入ったことが総会終了直後に明らかになった。
4兆ウォンの副総裁ポスト
「韓国、AIIB“4兆ウォンの副総裁職”飛んでいく」
6月29日付の「朝鮮日報」は1面トップでこう報じた。
韓国は、AIIBの5番目の出資国だ。37億ドル(4兆3400億ウォン、1円=約10ウォン)を拠出して、中国、インド、ロシア、ドイツに次ぐ「大株主」だ。
韓国が積極的に出資に応じたのは、5つの副総裁枠のうち1つを確保する狙いからだった。念願かなって、副総裁兼CRO(最高リスク管理者)のポストを得た。だが、就任からわずか4カ月で「6カ月の休職」という思いもよらない事態になってしまった。
病気治療のためなどの理由なら本人が復帰するか、または同じ国から「代打」を送ることができる可能性も高い。だが、洪起沢副総裁の場合「個人的な事情」であり、4兆ウォンを出してせっかくつかんだ副総裁ポストがどうなるか不透明になってしまったのだ。
個人的な事情で6か月休職
では、「個人的な事情」とは何か。家庭の事情など私的な事情などではないとの見方が圧倒的だ。
韓国で検察捜査が進んでいる大宇造船疑惑に絡んで批判を浴びたためという見方が強い。
いったい、何のことか。
その前に、この洪起沢副総裁とはどんな人物なのか。