オランダ、全土で「モノのインターネット」利用可能に 世界初

オランダの通信企業KPNは6月30日、IoTを推進するため、全国規模の長距離通信網「LoRa」を世界で初めて導入したと発表した。写真はオランダの玄関口、スキポール空港〔AFPBB News

 いつの頃からか、メディアを通じて目にすることの増えたアルファベットの1つにIoTというものがあります。

 「どういう意味?」

 そこそこ以上に優秀な東大生に尋ねても、

 「ええと、Internet of Things、モノのインターネット・・・」

 「モノのインターネット? いままでのネットはモノじゃなかったの?」

 「ええと、それは・・・」

 といった具合に、結構タジタジになる場合が珍しくありません。

 IoTというコンセプト、他の名前で呼ばれている、例えばネットワーク・ロボットとかユビキタス・コンピューティングと言われるものと別段変わるところはないといって過言ではない。では、こうしたIoTの仲間もろもろは従来のネットと本質的に何が違うのか?

 分かりやすい例から考えてみましょう。

3.11以降のインターネット

 リンクを1つ張るところから始めましょう。以下は原子力規制委員会の放射線モニタリング情報というホームページです。

 ここで「福島:相双」という部分をクリックしてみると、モニタリングポストが集めてくる空間線量の値がマッピングされているのを見ることができます。この原稿を書いている2016年7月3日14:00の時点で、例えばページ内の、

 「相馬市光陽パークゴルフ場管理棟」

 をクリックすると 「放射線量0.108μSv/h」と出てくる。ほかに、数値は表示されていませんでしたが「風速―― 風向―― 降水量―― 」とあり、

 「グラフを表示」というラジオボタンをクリックすると、時系列に添った「相馬市光陽パークゴルフ場管理棟」の放射線量を見ることができる。

 あるいは、「道の駅そうま体験実習館」であれば「放射線量0.122μSv/h」、「相馬市立玉野小学校」であれば「放射線量0.215μSv/h」といったデータを瞬時に得ることができるようになっている。このことの意味をもう少し掘り下げて考えてみましょう。