周期表の113番元素のところに「Nh」の文字が! (想像図)

 2016年6月9日、113番元素の名称候補として「ニホニウム」、元素記号「Nh」が発表されました。

 113番元素は、理化学研究所(理研)の森田浩介さんの研究チームが合成・発見した元素です。日本を中心とする研究グループが元素の発見者として認められたのは、史上初めてです。

 国際的なルールにより、新元素の発見者には名前を提案する権利が認められます。発見者が提案した名前は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)によって、他の物質とかぶってないか、当たり障りのない妥当な命名かどうか、審査され、公開レビューを経て決定されます。ニホニウムはこれから5カ月の公開レビューを受け、問題がなければ正式な元素名となります。

ニホニウムの由来

 IUPACの公式発表によりますと、理研・仁科加速器研究センターは113番元素に名前「ニホニウム」と元素記号「Nh」を提案しました。「ニホン」はJapanの二通りの日本語表現の一つで、「日出(い)ずる国」を意味します。

 ニホニウムとは耳慣れない名ですが、これまで存在しなかった元素の名前なのだから、耳慣れないのは当然です。やがて馴染むことでしょう。

(周期表の中には、「臭素(Br)」などというひどい元素名や、舌を噛みそうな「フレロビウム(Fl)」や、「アクチニウム(Ac)の元」を意味する「プロトアクチニウム(Pa)」という投げやりな命名など、おかしな名前がいくつもあります。それに比べれば全然ましではないかと思われます)