厳戒態勢の中で行われた伊勢志摩サミットは大きな混乱もなく無事に閉幕した。G7=主要7か国の首脳会議は、世界の経済や平和について話し合う会議であり、第1回会合はG5として1975年にフランスのランブイエで開かれた。その後、イタリアとカナダが加わってG7になり、1998年からはロシアが加わってG8となった。ただ、ウクライナ問題が原因でロシアの参加は2014年から停止されている。
一度はロシアもメンバーになったくらいだ。世界第2位のGDPを誇る中国にも十分に参加資格がある。正式メンバーになりたい。中国は心の底ではそう考えているはずである。また、現在G7のメンバーだって世界経済について話し合うのであれば、中国を仲間に入れた方がよい。そう思っているはずだ。
だが、それは今のところ表立った動きにはなっていない。そして、習近平が主席になってから、中国を正式メンバーに加えようとする動きはどんどん弱くなっているように思える。その最大の原因は南シナ海を巡る問題だろう。
今回の会合では南シナ海での中国の動きに対して国際法を順守するように苦言を呈したが、中国はこれに対して強く反発している。これでは先進国会議の正式メンバーになるどころが、一時は招待されていたように、客人として迎えられることも難しいだろう。
不思議なキャンペーン「中国の夢」
中国を見ているとその発想に古さを感じることが少なくない。そして習近平政権になってから、その度合いは加速しているように思える。