機能性表示食品を検証! 問われる国の関与のあり方

科学的根拠にばらつき、疑義は解消されるのか?

2015.12.04(Fri)白田 茜

「現時点でのユーザーは、トクホユーザーとの重なりが大きい」ものの、「トクホに比べると、国の承認ではないという点での安全性評価、信頼感が低い」という。

 筆者が11月中旬に店頭で機能性表示食品の販売状況を見たところ、スーパーや百貨店での取扱いはまだ少ないように感じた。都内のスーパーで店員に尋ねたところ、「うちの店舗にはまだ置いてありません」との回答で、商品名と陳列場所を把握していないような状況だった。

 ドラッグストアでは、「機能性表示食品」のPOPを設置してある店舗もあり、他の小売業に比べると消費者への訴求を重視している印象だ。都内のドラッグストアでは、「店頭でいま扱っているのはサプリメントを中心に10~15品程度。今後、取扱いは増える予定」とのコメントがあった。

 筆者が店頭ウォッチングしたところ、機能性表示食品は、他制度の「栄養機能食品」や「トクホ(特定保健用食品)」と混在して置かれており、パッケージをよく見なければ「機能性表示食品」であることが分かりにくい。消費者への認知度は高まりつつあるが、店頭での設置状況をみると、まだまだこれからという印象を受けた。

問われる国の関与の在り方

 機能性表示食品は、届出制になっているため、科学的根拠の乏しいものを排除できない可能性があることについては、6月の記事「機能性表示食品に早くも安全性の問題が浮上」でも述べた。

 機能性表示食品制度では、事業者が安全性や機能性に関する製品情報を販売前に届出て、販売60日前に公開し、広く国民に周知することで製品の品質を担保するとしている。つまり、発売前に問題点を見つけて指摘することができるのが、機能性表示食品制度の「要」なのだ。そこで、問題が見つかったときに消費者庁がどのように対処するかが課題となってくる。

 このところ、機能性表示食品の運用を厳格化する意見が相次いでいる。10月22日、河野太郎消費者行政担当相は、「トクホ」の審査で安全性が確認されなかった食品が「機能性表示食品」として提出された事例について、「分かりにくさは整理する必要がある」と言及した。

 あくまで個人的な意見としながらも、「安全という観点から、トクホがだめなら、機能性もだめというルールがあってしかるべきではないか」と、制度運用の見直しを示唆したという。

科学的根拠のレベルにばらつきも

 食品の機能性評価は「製品で行う臨床試験」か「製品もしくは成分で行う研究レビュー(システマティックレビュー)」のいずれかになる。10月31日までに122商品が受理されているが、このうち「研究レビュー」によるものが102件と、圧倒的に多い。

 システマティックレビューとは、自分に都合の良い文献のみを集めたりせず、関連する国内外の研究を網羅的に収集し精査することだ。質の悪い論文は除外するなど総合的に評価する必要がある。しかし、各社の研究レビューの質には差が生じているようだ。

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