
アベノミクスの成果だけでなく、岩盤規制の撤廃に向けても積極的に取り組んでいることを強調した。コーポレートガバナンスを強化し、日本的な慣れ合いの経営を打破して、外国人や女性の登用を増やし、世界で戦える企業を1つでも多く生み出していきたいと述べた。
そして、日本や米国で実際に訪れた企業や大学のケースを紹介。日本では建設機械のコマツとNC装置、ロボットメーカーのファナックを訪問して、日本の非常に高度な省エネ技術や生産技術に感動したと言う。
「生産性革命によって未来を拓く。これが先週(7月第2週)決定した安倍政権の切り札です」
また、米国ではMITやシリコンバレーを訪問して、「どんどん湧き出る奇想天外なアイデアの数々に衝撃を受けた。とにかくスピードが速い。日本が成長を続けるにはこのスピードに追いつかなければならない」と素直な感想を述べた。
日本の中小企業をシリコンバレーへ派遣
シリコンバレーの訪問はかなり衝撃を受けたようで、今後5年間に日本の優れた中小企業から200社を選びシリコンバレーに派遣することを決めたことを披露した。
「日本にもきらり光る技術やアイデアをもった中堅中小企業は多い。こうした企業が日本のものづくりを支えてきた。しかし、日本チャンピオンで満足しないでほしい。目指すは世界チャンピオンです」
日本は投資先としてもアジアの中で注目される存在になったことも強調していた。
「少し前まで、欧米のトップにアジアの拠点をどこに置くかの質問に中国が圧倒的だったが、直近の調査ではアジアに研究開発拠点を置くなら日本という答がトップになった。米アップルはアジアで初の研究開発拠点を横浜にオープンさせることも象徴的でしょう」
「日本への投資は10倍以上に増えたが、まだ足りません。そこで、日本に思い切った投資をしてくれた企業には相談相手となる副大臣をつけることに決めました。政治のリーダーシップのもと、海外の投資家にとって安心感のある仕組みを作っていきたい」
「世界トップレベルの企業にはぜひ日本に来てほしいと思います。その効果は日本の雇用を生むだけでなく、日本企業に素晴らしい刺激を与えるからです」
そして、講演の最後は受け取り方によっては、特定の国を念頭にかなり皮肉な内容で締めくくった。