乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌と呼ばれる微生物、もしくは、それを含む食品を指す「プロバイオティクス」。その言葉も浸透し、スーパーではさまざまな乳酸菌製品を見かける。「○○菌」という固有名詞も続々と登場している。
そのなかでも、一目置かれている乳酸菌が存在するという。「LGG乳酸菌」(以下、LGG)だ。世界中の研究者がラブコールを送るという、その乳酸菌の正体とは。その実力はいかに。
日本で唯一、LGGのライセンスもつ海外企業と利用契約を結んでいるタカナシ乳業 商品研究所の宮澤賢司さんに話を聞いた。
LGGだけが持つ「毛」に秘密あり
LGGの正式名称は、「ラクトバチルス・ラムノーサス・GG」。アメリカの S. L. Gorbach (ゴルバッハ)博士と、B. R. Goldin(ゴルディン)博士によって1985年に発見され、分離された乳酸菌だ。「GG」は、彼らの頭文字に由来している。
LGGの最大の特徴は「毛」だ。一般に、乳酸菌は、その形状により細長い桿菌(かんきん)と丸い球菌に分けられる。いずれにしても、その表面は“ツルっと”しているのだが、このLGG(桿菌)は、表面から明らかに毛らしきものが生えている(冒頭の写真)。この「Pili(ピリ)」と呼ばれる線毛こそが、LGGの強みだという。