サムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)会長が心筋梗塞で倒れてから、2015年5月10日で1年になる。強力なリーダーシップでグループを牽引してきたオーナー会長の不在が長期化する中で、サムスンは、主力事業の立て直し、グループ再編、そして後継継承作業という難題に挑んでいる。
李健熙会長は、依然としてサムスンソウル病院20階の特別室に入院中だ。
心臓などの機能は安定しているが、意識がない状態で、事実上「オーナー会長不在」の経営が1年間続いている。
韓国の産業界で圧倒的な存在であるサムスン。オーナー会長の入院が長期化し、「後継問題」への関心が高まっている。
そんな中で、大手紙の「東亜日報」と「朝鮮日報」が正反対の報道をして注目を集めた。
長男への継承巡り、大手紙が正反対の報道
「サムスン’李在鎔承継’本格化・・・2015年のうちに仕上げ計画」。4月27日、「東亜日報」はこう報じた。
李健熙会長から、長男である李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長への継承を年内に仕上げるという内容だ。
「昨年5月以来、李健熙会長の空白が長期化し、最近、海外機関投資家や企業間取引(BtoB)パートナーから’経営権安定’の要求があるためだ」と報じた。
さらに、「サムスン関係者」の発言として「早ければ上半期(1~6月)、遅くとも下半期(7~12月)までを目標として継承作業を急ぐ」としている。
「李在鎔副会長が会長に昇格する」という表現こそないが、昇格人事があることを示唆した内容だ。