韓国で、現職の国会議員が続々、閣僚や大統領特別補佐官に起用されている。3年目に入った朴槿恵(パク・クネ=1952年生)政権が、強力な布陣で政策実行にドライブをかけようという狙いだが、「大統領制なのか責任内閣制なのか」という三権分立を巡る議論も出ている。
2015年3月24日、朴槿恵大統領は、青瓦台(大統領府)で、政務、安全保障、広報の特別補佐官と1時間弱、国政全般について話し合った。特別補佐官とのこうした会議は初めてのことだ。
1週間前の3月16日、朴槿恵大統領は、 与党セヌリ党の現職国会議員である朱豪英(チュ・ホヨン=1960年生)、 尹相現(ユン・サンヒョン=1962年生)、金在原(キム・ジェウォン=1964年生)3氏を政務特別補佐官に任命していた。
24日の会議には、海外出張中の金在原議員を除く2人の議員も出席した。
この日は、国務会議(閣議に相当)も開かれた。
2月17日に就任した李完九(イ・ワング=1950年生)首相が主宰した国務会議では公務員年金改革や腐敗防止のための法律などが議題になった。
閣僚や大統領特別補佐官にベテラン議員がずらり
国務会議メンバーの顔ぶれを見ると、ここにも現職の国会議員がずらりと並んでいる。
李完九首相は、与党ナンバー2の院内代表を務めた3選議員だ。この間、忠清南道知事も歴任している。
崔炅煥(チェ・ギョンファン=1955年生)副首相兼企画財政部長官も3選議員で、与党の院内総務を務めた。
もう1人の副首相で教育部長官を兼務する黄祐呂(ファン・ウヨ=1947年生)氏は裁判官出身の4選議員。与党の院内総務、代表最高委員を務めた。
与党の幹部を務めたばかりの国会議員が、首相と副首相を占めているのだ。