「外国人観光客誘致、韓国、7年ぶりに日本に抜かれる」――。2015年3月23日付の「朝鮮日報」にこんな大きな記事が載った。外国人誘致を経済活性化の柱に掲げる日本と韓国の外国人争奪戦がさらに激しくなっている。
「朝鮮日報」の記事は、日本政府観光局(JNTO)と韓国文化観光研究院の出入国統計を分析した記事だ。
それによると、2014年11月から2015年2月まで4カ月連続して訪日外国人観光客数が、訪韓外国人観光客数を上回ったという。2008年10月以来7年ぶりのことらしい(ここで観光客とあるのは来訪者数を指す、以下同じ)。
特に、2015年2月の来訪観光客数はさらに差が開いた。日本を訪問した外国人観光客数は前年同月比58%増の139万人で単月ベースでは過去最高を更新した。これに対して、韓国を訪問した外国人観光客数は同19%増の105万人だった。30万人以上の差がついたことになる。
韓国の外国人観光客もどんどん増えているが、それ以上に日本の訪問者が激増しているのだ。
2009年に日本を抜いた韓国、ここへ来て日本が急追
日本と韓国は、2000年代以降、そろって外国人観光客誘致に力を入れてきた。ほぼ同じようなペースで外国人観光客数を増やしてきた。
2008年までは、日本を訪問する外国人観光客数が一貫して韓国を訪問する外国人観光客数を上回っていたが、2009年にこれが逆転する。
円高ウォン安の影響が大きかったことと、中国からの比較的低価格のパッケージツアー客の韓国訪問客が増えたことが原因だった。
2011年に東日本大震災が発生して日本への外国人観光客数が激減し、日韓の差はさらに開いた。
「外国人観光客1000万人誘致」を両国の観光業界が競っていたが、韓国が1年早い2012年にこれを達成した。