2015年2月19日は旧正月で中国や韓国などは前後が連休だった。日本にも大勢の中国人、韓国人観光客が押し寄せたが、韓国もすごかったようだ。17日~22日に10万人以上の中国人観光客が来て、ホテルや百貨店は「春節特需」を謳歌した。この中国人の「爆買い」を狙って、韓国では財閥企業が「免税店事業」で激突している。

 旧正月の連休を1週間後に控えた2月11日、仁川国際空港公社は韓国の産業界の注目を集めた入札結果を公表した。

 2015年9月から2020年までの5年間の空港内の免税店運営業者の選定結果だった。

 免税店と言っても日本ではあまりピンと来ないかもしれないが、韓国ではビッグビジネスなのだ。

免税店事業、年間18億ドル規模のビッグビジネス

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免税店バトルの舞台となっているアジア最大級のハブ空港、仁川国際空港〔AFPBB News

 仁川国際空港に行ったことがある方なら、免税店の多さと混雑ぶりを見たことがあるはずだ。

 筆者も1月初めと2月半ばに仁川国際空港を利用したが、巨大空港ターミナルはまさに免税店だらけだった。

 韓国メディアによると、仁川国際空港の免税店の売上高は、2011年から世界の主要空港の中でナンバーワンだという。2013年の売上高は18億ドル。ドバイやヒースロー(ロンドン)を抑えてトップを守ったという。

 年間売り上げ規模が18億ドルと言えば、大きなビジネスだ。おまけに過去5年間、年率で10%以上の成長を続けているとあれば、流通関連企業が黙っているはずもない。

 ということで今回の営業権争いには、ホテルロッテ(ロッテグループ)、ホテル新羅(サムスングループ)、新世界免税店(新世界グループ)、ギャラリアデューティーフリー(ハンファグループ)という韓国の財閥系流通大手企業が名乗りを上げた。