2015年1月の韓国での話題は、映画「国際市場」の大ヒットと、「年末調整」(韓国では年末精算と呼ぶ)だった。韓国が抱える構造的な課題を考えさせられる2つの話題だった。
「今年の年末精算課程で、国民の皆さんに多くの不便をおかけしたことを遺憾に思っている」
2015年1月26日。青瓦台(大統領府)で開かれた2015年最初の首席秘書官会議で、朴槿恵(パク・クネ)大統領はこう話した。
韓国では、この日がこの「年末精算」の期限だった。
「13カ月目のお小遣い」が一転、「税金爆弾」に
多くの納税者にとって、これまで年末精算は「13カ月目のお小遣い」だった。医療費や各種経費が控除になり、2月の給与支給日に「還付」を受けることができたからだ。
ところが、2015年から、控除の方式、範囲が変わり、還付どころか、不足分を2月の給与から差し引かれる納税者が増えてしまった。
「年末精算税金爆弾」
1月半ば以降、韓国メディアは大々的に報じた。
「事実上の増税」として、「公約違反」との批判も噴出した。
実際には、「増税」とまで言えるかは微妙だ。韓国政府は「多く徴収して多く還付するやり方から、最初から少なく徴税する方式に変更した」と説明する。
だが、一般納税者は、「13カ月目」の楽しみがなくなったことに敏感に反応した。
「中央日報」(1月22日付)は、「ショッピングモール、年末精算の寒波・・・続出する注文取り消し」という記事を大きく掲載した。
年末精算の還付をあてにして、ネットでショッピングを楽しもうとしていた消費者が、試算してみたら期待通りにならないことが分かり、あわてて注文を取り消す例が相次いだという内容だった。