対円のウォン高が韓国経済を直撃している

 「東京に行ったが、何を食べても買っても安くてびっくりした」「湯布院と別府で温泉に行った。安くて楽しかったが、韓国人ばかりで海外旅行気分がしなかったのが残念・・・」

 4月末から5月初めはじめにかけて、筆者の知人の多くの韓国人が日本に旅行に行った。口をそろえるのが、「円安のおかげで何でも安かった。これならまた行きたい」だった。

 一方で、ソウルの観光中心地、明洞(ミョンドン)は中国人ばかりが目立つ。かつてどこからでも聞こえてきた日本語を耳にすることはほとんどなくなってしまった。

 日韓間の訪問者数のこうした現象は統計にもはっきりと出ている。日本政府観光局と韓国観光公社がまとめた1~3月の統計によると、日本を訪問した韓国人は94万7900人で前年同期比39.6%増だった。これに対して韓国を訪問した日本人数は50万1100人で同17.7%減だった。

 この間、韓国を訪問した中国人数は同44.5%増の142万6000人。韓国を訪問する外国人に占める中国人の比率は45%になった。

安くなった日本旅行は嬉しいけれど・・・

 日本人が減少しても中国人が来てくれるから良いとは単純に言い切れない。

 というのも、2014年末以降、日本を訪問する中国人の増加率がすさまじいのだ。1~3月に日本を訪問した中国人数は92万3500人で、韓国を訪問する中国人数に及ばないが、その伸び率は前年同期比93.2%増。韓国の観光業界では「近いうちに日本を訪問する中国人数に追い抜かれる。今から対策を打つ必要がある」という声が出始めている。