今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(1月11日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、フランス・パリで起こった新聞社襲撃事件について取り上げたほか、昨年12月10日に施行された特定秘密保護法などについて語った。

日本が経験した無差別テロ、地下鉄サリン事件

中山 フランスで起きた一連のテロ事件の犠牲者を追悼する大規模なデモ行進が、11日、パリで始まると報じられました。

 このデモは、襲撃された新聞社の本社に近いレピュブリック広場を起点に、およそ3キロの区間を数十万人の市民が行進する見込みで、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相、ヨルダンのアブドラ国王など40カ国以上の首相らも参加し、フランスへの連帯を示すことになっています。

フランスが治安対策強化、異例の兵士1万人動員

パリのエッフェル塔前で警戒に当たる仏軍兵士ら(2015年1月8日撮影) ©AFP/BERTRAND GUAY〔AFPBB News

 犯行に関与した疑いのある女性容疑者が国外に逃亡したとの情報もありますが、捜査当局はフランス全土で警察や軍部隊約8万8000人による捜査態勢を敷き、犯人の身柄確保に全力を挙げているとのことです。

 こうしたテロから平和や秩序を守るには、治安対策の強化やインフラ整備が必要不可欠です。イギリスでは過去にロンドン同時爆破事件が発生しましたが、それから数年のうちに同国政府が信号機など街中の至るところに監視カメラを設置しました。

 これには賛否両論あったでしょう。政府当局に自分の自由を監視されるのはプライバシーの侵害だという意見があれば、多様な異文化が共存するロンドンの社会環境を考えると仕方なしという意見もあったはずで、多くの議論の末に設置が決まったのだと推測します。

 日本ではどうでしょうか。高速道路などには、自動速度違反取締装置(通称Hシステム)や自動車ナンバー自動読取装置(通称Nシステム)が設置されています。このNシステムは、かつて社会を震撼させたオウム真理教事件でオウム幹部の動きを追跡する際に使われ、事件解決の足がかりになりました。

 オウム真理教といえば1995年に地下鉄サリン事件が起きた際、実行犯が地下鉄車両内でサリンの入ったビニール袋を傘で刺したという手口が明らかになると、東京で地下鉄を利用する人の多くが非常に神経質になったものです。駅構内のゴミ箱などは、ほとんど姿を消しました。

 また、山梨県上九一色村にあった教団施設では、パリのテロ事件で犯人が使用したのと同じ旧ソ連製のカラシニコフ(AK-47)の密造が企てられたほか、大型軍用ヘリコプター「ミル17」を保有していたことも分かっています。