先週は1つのテーマに集中することなく、様々な分野の記事がよく読まれた。1位は英フィナンシャル・タイムズ紙のアジア総局長、デビッド・ピリング氏による「安倍首相を望んだことを悔やむ米国政府」。米国としては、日本の長期安定政権は長らく望んできたものだったが、安倍晋三首相の行動力の高さが、米国の予想をはるかに上回ってしまい、困惑し始めているという指摘である。

米海軍の現役大佐が中国による日本侵攻もあると指摘

今週のランキング
順位 タイトル
1 安倍首相を望んだことを悔やむ米国政府
2 「弱者」の戦い方で中国に立ち向かうフィリピン
3 アンネの日記を破った許されない“日本人”
4 反日を掲げ中国にすり寄る韓国の歴史的必然
5 ソチ冬季五輪、韓国に「倍返し」したビクトル・アン
6 英国紙に中国の大使が「反日」寄稿、寄せられた500件のコメントの中身とは
7 「中国軍が対日戦争準備」情報の真偽は?足並み揃わない最前線とペンタゴン
8 日本入国を拒否されたマレーシアのカリスマ指導者
9 中国企業のブランド力はなぜ強くならないのか
10 燃え上がるウクライナ:プーチンの地獄の大火
11 「中国は尖閣諸島強襲の準備を始めた」波紋を呼ぶ米海軍現役軍人の発言
12 中国を「大国」にした日米の責任を問う
13 オーストラリア:自動車産業の終わり
14 太平の眠りから目覚めるオーストラリア
15 靖国参拝の安倍首相を援護した米国の若手ホープ議員
16 “パンパン”になりやすい塩好き日本人の血管
17 韓国証券業界大再編? 上位4社が相次ぎ身売り
18 目立ち始めた中韓反日キャンペーンの独り相撲
19 重大局面を迎えたウクライナの危機
20 社説:キエフと欧州の出番

 米国は日本に対してこれまでのような自分に都合のよい対応は難しくなり、旗幟鮮明にしなければならなくなるだろうという。

 つまり、日本が軍事費を拡大することを認めるか、あるいは日本を確実に守るとはっきり宣言するかを迫られているというのだ。

 米国については、海軍のファネル大佐の発言が大きな波紋を投げかけた。中国軍が日本の尖閣諸島などへ奇襲攻撃をかけてくる可能性があるとの指摘だ。

 それを扱った記事が7位の「中国軍が対日戦争準備情報の真偽は?足並みが揃わない最前線とペンタゴン」と11位の「『中国は尖閣諸島急襲の準備を始めた』波紋を呼ぶ米海軍現役軍人の発言」である。

 そういう可能性を指摘したのであって、明日にも中国軍が攻めて来る可能性は低いが、何も対応しないままにしていると懸念が現実になる危険性があることも事実だ。

 これ以外の記事では、ウクライナへの軍事介入を検討しているロシア関連の記事も読まれている。

 10位の「燃え上がるウクライナ:プーチンの地獄の大火」と19位「重大局面を迎えたウクライナの危機」、20位「社説:キエフと欧州の出番」である。

 ロシアの出方次第では欧州情勢はかなり緊迫する危険性がある。そして世界経済への波及も避けられないだろう。

 一方、20位までのランキングには入っていないがFT紙のデビッド・ピリング氏による「タイが次のウクライナのように見える理由」も面白い記事だった。タイがウクライナのようになる危険性を指摘したものだ。

 ただし、この記事が出たあと、タイでは反政府運動の主導者であるステープ元副首相が、多くの死傷者が出たことで主だった交差点の封鎖を解除すると発表している。ウクライナのようになる危機は一応回避できたようである。

 もう1つの注目記事は東京大学の伊東乾准教授による「アンネの日記を破った許されない“日本人”」。いまだに誰が破ったのか分かっていないが、世界的に日本人の風評を落とそうという犯罪は、破ったという事実よりも重い。一日も早く犯人を見つけてほしいものである。