韓国が原発2基を停止、証明書類偽造で

事故や不祥事による原発の稼働停止が韓国の電力不足を一段と深刻にしている〔AFPBB News〕

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 産業通商資源部は2013年の夏に深刻な電力不足問題が起きると見て初めて企業に対する「節電規制措置」を出した。

 電力使用量に応じて節電目標を定めていた。産業用全体では280万キロワットの節電に成功したが、「一部大企業は全面的に協力していない」として「規制違反大企業リスト」を公表したのだ。

 現代自動車、起亜自動車、LG化学、Sオイル、ハイト真露、SKケミカル――。韓国を代表する企業の名前がずらりと並んでいる。

直前に思わぬ事故、ビクビクもので迎えた「魔の3日間」は・・・

 こうして万全の準備で「魔の3日間」に備えようとした11日夜。とんでもないニュースが飛び込んできた。忠清南道にある火力発電所で故障が見付かり、稼働停止に追い込まれたのだ。発電量は50万キロワットだが、ぎりぎりの計算をしていた産業通商資源部や韓国電力の幹部は頭を抱え込んだ。

 こうして迎えた12日の月曜日。韓国メディアは「猛暑と電力需給」を大々的に報じた。

 中央地方の官庁では予告通りエアコンが止まり、照明もできるだけつけずに業務が始まった。大企業は保有する自家発電設備をフル稼働させる。電気を大量に使う工程の作業は比較的電力需給が切迫していない夜間にシフトするなどの手も打った。

 詳細は不明だが、メディアの大々的な報道もあって家庭やオフィスでのエアコンの使用も急減したようだ。筆者が働いている大型オフィスビルでも午後2時頃になるとビル全体のエアコンがほとんど停止してしまった。

 こうした「強力な節電」で12日以降の電力需要は7200万~7300万キロワット前後に収まり、「魔の3日間」は何とか乗り切った。最大の功労者は強烈な圧迫を受けた企業だった。産業用電力需要が当初予測よりも323万キロワットも減少したのだ。

 韓国メディアによると、電力を最も大量に使う鉄鋼や石油化学業界は、生産調整や工場稼働時間の変更を強いられた。サムスン電子は一部製品の生産を停止した。工場だけではない。サムスン電子は本社ビルの照明を絞った。室内温度は28度に設定していた。一部エスカレーターも休止するなど、まさにあの手この手で節電に努めた。

サムスンは「会長重病節」が飛び交うハプニング

 サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長はとんだハプニングに見舞われた。「新経営20周年」の記念夕食会を16日に開く予定だったが、電力需給の逼迫に配慮して、1週間延期を決めた。これが一部で「李健熙会長重病説」として広まってしまったのだ。

サムスングループは14日に、広報担当の社長が韓国メディアの記者に対して「まったくの事実無根で、節電に協力して延期しただけだ」と説明する羽目になった。