情報不足を補うため、外国語のグルメガイドも作成
(データ元、リクルートライフスタイルじゃらんリサーチセンター提供)
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 この事業の大きな特色は、外国人目線で地域資源を見直したことである。3市では、まず外国人モニターツアーを実施。モニターツアー終了後にツアーに関する満足度調査を行った。また、各市場関係者と外国人モニターとでツアーや観光資源の評価を共有した。その評価を踏まえて、地域を「体感」できる旅行商品作りに取り組んだ。

 例えば札幌市では、地場の商店街にある小規模店舗が観光資源として価値が高いことが分かった。しかし日本人向け店舗であることから外国人旅行者には敷居が高かった。そこで、ガイド付きで回ることで店主とコミュニケーションを取れるようにした。地域の人とのコミュニケーション自体を観光資源としたのである。

 横山さんは、商品作りには「魅力度コンテンツ」と「満足度コンテンツ」の両軸が欠かせないと話す。魅力とは、その地域ならではの観光資源である。しかしそれだけでは一過性で終わってしまう可能性がある。満足度を高めて「日本に来て良かった、今度は友だちも誘おう」と思ってもらうためには、ニーズの聞き取りとその反映が重要である。特に地域の人との直接的な触れ合いは、満足度を高める大きなカギとなる。

外国人目線で日本の生活文化を見直す

 日本政府観光局の発表によれば、訪日外国人は2013年4月に単月で初の90万人を突破したものの、政府が今年目標として掲げている年間1000万人の達成にはまだまだ厳しい状況と見られている。

 今後は、ゴールデンルート以外にも外国人旅行者の誘致を図りたいところだが、問題はそのプロセスであろう。