欧州ではギリシャ問題だけでなくスペインの銀行に火がつき、これがユーロ問題をさらに深刻化させている。この件についてはあとで触れたいが、日本ではこの1週間で最も話題になったのは関西電力の大飯発電所の原子炉3号機、4号機の再稼働問題だろう。

さすがの橋下徹・大阪市長も音を上げたか

今週のランキング
順位 タイトル
1 福島第一原発事故を予見していた電力会社技術者
2 ついにとどめを刺される「全学連」
3 領土問題に疲れてきた中国国民
4 ギリシャ離脱:ユーロ解体の破滅的なコスト
5 中国経済はどれほど強いのか?
6 中国大使が恫喝まがいの書簡を議員に送付
7 ギリシャのユーロ離脱から日本が学ぶべきこと
8 陸上自衛官の帽子を作ると他の帽子を作れなくなってしまう理由
9 発覚!米軍兵器に巣食う大量の中国製偽造部品
10 ふらつくパンダはまだ倒れない
11 韓国で拍車かかる「親大企業」策見直し
12 不倫する女と男、その傾向と対策
13 知られざる離婚原因の4番バッター
14 ドイツの国益を巡る謎
15 中国の民族問題に関わっても得することはない
16 ユーロ圏の銀行から資金を引き揚げるファンド
17 日本の入れ墨事情:大阪の将軍
18 マハティール元首相、日本の政治にもの申す
19 脱ジャンク給食!肥満退治に動きだした米国
20 危機を逃れ、ドイツ国債に殺到する投資家

 来週にも安全性の確保は棚上げして見切り発車が決まりそうだ。予想されたこととはいえ、関電と日本政府の見え透いたやり口にはコメントもしたくない。

 さすがの橋下徹・大阪市長もここまでの駄々っ子ぶりには音を上げたのだろう。期限付きで再稼働を認めるという。

 しかし、こうした無理なごり押しを通せば通すほど、日本の原発に未来がなくなることが分からないのだろうか。

 大飯が再稼働できれば、あとはなし崩しで日本中の原発が再稼働できるなどと政府と関電が思っているとすれば何と言うKYだろうか。

 『脱原発』(青志社)の著者であり自身は弁護士としてずっと脱原発運動を繰り広げてきた河合弘之さんは次のように話す。

 「かつては日本各地で原発に対する訴訟が起きても単発で終わることが多く、電力会社や国のしたたかな戦略の前に次第に下火になっていましたが福島以降は違います」

 「日本各地で脱原発の動きが活発化し、訴訟も次々と起きています。そしてそれらの訴訟を起こしている弁護士たちが密接に連携し合うようになったのです」

 「かつては点でしかなかった動きが線となり面となる。そんな手ごたえを感じています。私としてもそれらを支援していきたい」