欧州ではギリシャ問題だけでなくスペインの銀行に火がつき、これがユーロ問題をさらに深刻化させている。この件についてはあとで触れたいが、日本ではこの1週間で最も話題になったのは関西電力の大飯発電所の原子炉3号機、4号機の再稼働問題だろう。
さすがの橋下徹・大阪市長も音を上げたか
来週にも安全性の確保は棚上げして見切り発車が決まりそうだ。予想されたこととはいえ、関電と日本政府の見え透いたやり口にはコメントもしたくない。
さすがの橋下徹・大阪市長もここまでの駄々っ子ぶりには音を上げたのだろう。期限付きで再稼働を認めるという。
しかし、こうした無理なごり押しを通せば通すほど、日本の原発に未来がなくなることが分からないのだろうか。
大飯が再稼働できれば、あとはなし崩しで日本中の原発が再稼働できるなどと政府と関電が思っているとすれば何と言うKYだろうか。
『脱原発』(青志社)の著者であり自身は弁護士としてずっと脱原発運動を繰り広げてきた河合弘之さんは次のように話す。
「かつては日本各地で原発に対する訴訟が起きても単発で終わることが多く、電力会社や国のしたたかな戦略の前に次第に下火になっていましたが福島以降は違います」
「日本各地で脱原発の動きが活発化し、訴訟も次々と起きています。そしてそれらの訴訟を起こしている弁護士たちが密接に連携し合うようになったのです」
「かつては点でしかなかった動きが線となり面となる。そんな手ごたえを感じています。私としてもそれらを支援していきたい」