近代兵器と言えば、なんといっても唯一のスーパーパワーたる米国が世界の先頭に立つ。ところが最近の米軍の各種兵器には、偽物の電子部品が多数まぎれこんでいるという。

 偽造部品はミサイルや軍用機というような兵器の性能を大きく狂わせる危険がある。しかも、その偽造品の大多数は米国に挑戦する中国の製品だというのである。

 米国から兵器を購入する日本にとっても他人事ではない。なんとも奇妙な、そして恐ろしい話ではないか――。

1800件の偽造電子部品を発見

 米国の近代兵器の電子部品の多くが中国製の偽造品だというブラックジョークのような話は、米国上院の軍事委員会がつい最近の5月下旬に公表した調査報告の結果だった。この委員会が多数の専門家を投入し、1年以上もの時間をかけて実施した調査の総括である。

 上院軍事委員会と言えば、委員長は民主党のカール・レビン議員、共和党側の筆頭委員はジョン・マケイン議員という、ともに大物である。連邦議会全体でも最も重みのある委員会の1つなのだ。

 「国防総省の供給系統での偽造電子部品の調査」と題するこの報告書の内容を紹介しよう。

 まず総括である。

 「当軍事委員会は2009年から2010年までの2年間の国防総省への兵器供給を対象とした調査で、合計1800件の偽造電子部品を発見した。この偽造品は部品の個数だと100万以上となった」

 「これら偽造品の製造源に関して、当委員会は約100件を追跡調査した。するとその70%以上が中国であることが確認された。その他の国としてはイギリスやカナダも浮上したが、そもそもの製造国から転売された形跡が濃く、ここでも世界の偽造品大国である中国の影が大きい」