ほぼ20年ぶりに訪れたマレーシアは見事に一変していた。1993年、三菱自動車が支援していたマレーシア国産自動車メーカー、プロトンに次ぐ第2の国産メーカーとしてダイハツ工業が支援してプロドゥアが誕生、その取材に行ったのが最後だった。

活力あふれるアジアと沈む日本の格差

今週のランキング
順位 タイトル
1 先生は日本企業?中国人が気づいた道徳的経営の価値
2 ギリシャ離脱の脅威:不幸は様々
3 国に期待する者はバカを見る、自分を磨きなさい
4 マツダ「CX-5」はどこが「惜しい」のか
5 電気自動車は破壊的イノベーションを起こせるか?
6 ギリシャのユーロ離脱に備える市場
7 あってはならない「確実に」という作業指示
8 ユーロ圏諸国に襲いかかるギリシャの炎
9 中国経済、予想外に厳しい減速の恐れ
10 衆院解散で消費増税も原発再稼働もすべて消える
11 成長戦略を描けない日本
12 食料自給率100%の国は飢えている
13 「知らない」と言える勇気があなたを磨き輝かせる
14 今デフォルトするか後でするか、それが問題だ
15 改革開放路線に舵を切り始めた金正恩政権
16 ギリシャのユーロ離脱、地中海東部の地政学にも影響
17 欧州から脱落しゆくギリシャ
18 フェイスブック、上場を目前に2つの懸念材料
19 女も男も格差社会、死語になる「夫婦の絆」
20 モルモン教徒が実業界で羽ばたく理由

 当時、首都クアラルンプールからダイハツの手配してくれた車に乗って工場に向かったのだが、行けども行けどもパーム畑と熱帯雨林が続き、こんなところに自動車工場が必要なのだろうかと思ったものだ。

 クアラルンプールもシャングリラホテルの裏ですら、まだ古いアジアが広がっていた。

 それがいまや近代的なビルが立ち並び、なかでも最上階にマハティール元首相のオフィスがあるペトロナス・ツインタワーがマレーシアの成長を誇るかのようにそびえ立っている。

 夜、美しくライトアップされたこのビルを、ホテルの室内プールサイドにあるバーから眺めながらカクテルを飲むのが欧米人は大好きなようだ。夜10時過ぎに行っても空いている席は見当たらない。

 日本で言えば銀座に当たるクアラルンプール最大のショッピング街、ブキ・ビンタンは平日の昼間でも多くの人でにぎわっている。

 そこにある最大の商業施設パビリオンには高級ブランドが軒を連ね、マレーシアの若者の情報発信基地となっている。

 パビリオンの商業施設の上は高級住宅になっている。せっかくなのでショールームを見学させてもらった。100平方メートルを超える物件は日本円で1億円以上。

 それでも立地と設備などを考えると安いのだろう。中国系のファミリーと思しき顧客が次々と接客係に案内されて見学に来る。

 マレーシアには昨年2500万人もの観光客が訪れたそうだ。1997年には700万人足らずと現在の日本とあまり変わらない規模だったというから、明らかに観光政策でも成功している。

 日本の成功に学べと2003年まで22年間マレーシアの首相を務めたマハティールさんが続けてきたルックイースト(東方政策)から30年、日本に学んだマレーシアは大発展を遂げていた。

 では、先生であったはずの日本は何が悪くなってしまったのか。そのことをマハティール・ビン・モハマド元首相に聞きたくて今回は久しぶりにマレーシアにやって来た。次ページからはマハティール元首相のインタビューをお届けする。