脱ジャンク給食! 肥満退治に動き出した米国

ジェイミー・オリヴァーとミシェル・オバマの挑戦

(佐々木 順子)

米国人は大きくなり続けている。現在、米国民の6割以上が過体重(肥満の一歩手前)または肥満の状態にある

 米国人は大きくなり続けている。

米国の子ども、超肥満が低年齢化

肥満大国アメリカ(減量プログラムに取り組むカリフォルニアの学校の女子寮)〔AFPBB News

 現在、米国民の6割以上が過体重(肥満の一歩手前)または肥満の状態にある。1997年から2007年の10年の間に、肥満率は19.4%から26.6%に増加した。このペースで増え続けると、2015年には国民の41%が肥満になる計算だという。

 特に早いペースで肥満が進んでいるのが、小中高生だ。過去20年間に、6~11歳の子どもの肥満率は3倍になった。いまや、糖尿病は「成人病」ではなく、子どもの間でもそう珍しくはない病気だ。ほかにも心臓病、高血圧、癌、ぜんそくなど、肥満が原因の疾病の医療費が大きな問題となっている。(文中敬称略)

人気シェフが給食改革に乗り出した

英人気シェフJ・オリバーのレストラン、アジアで30店舗展開へ

人気シェフ、ジェイミー・オリヴァー〔AFPBB News

 こうした米国の食事と肥満に革命をもたらそうと立ち上がったのが、英国のカリスマ・シェフ、ジェイミー・オリヴァーだ。

 ジェイミーは、幼い頃から両親が経営するパブで手伝いをして料理の才能を開花させた。フランスで修業、ロンドンのレストランでシェフを務めたあと、23歳で料理番組『裸のシェフ』のホストとなった。甘いマスクに豪快な料理ぶりと軽妙なトークで、一躍人気者となった。

 ジェイミーは2005年、英国の学校給食の改革に着手、「Feed Me Better(もっといいものを食べさせて)」運動をスタートさせた。小学校へ乗り込んでいって、ジャンクフードを一掃し、かわりに野菜や果物を中心としたメニューに切り替えていく試みだ。

 当初は「金がかかる」「時間がかかる」「おいしくない」「子どもにも選ぶ権利がある」と反感も買った。しかし、当時のトニー・ブレア首相などキーパーソンの後押しを受けて、運動は英国全土に広がった。

子どもの肥満は成人後の早期死亡の原因に、研究

子どもの肥満も社会問題化している〔AFPBB News

 これと同じことを、米国でも始めようというのだ。モデルケースとして選んだのは、ウエストバージニア州ハンティントン。住民5万人の半数が肥満という町だ。約3カ月の滞在中にヘルシーな給食を実験的に提供して成功させ、自治体の理解や資金提供者を獲得して給食改革プログラムを長期的なものにするのが目標だ。

 テレビネットワークABCがジェイミーの活動を追った実録番組『フードレボリューション』は、3月から4月にかけて全6回が全国放映された。

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