5月14日から17日にかけ、東京で第4回「世界ウイグル会議」代表者大会が開催された。
中華人民共和国の新疆ウイグル自治区では、当局によって「漢民族との同化政策」が行われているとされる。世界ウイグル会議は、その政策に反対する中国国外のウイグル人と団体の多数が加盟する組織だ。
14日、国会に隣接する憲政記念館で行われた開会式には、自民党の日本ウイグル友好議員連盟のメンバーを中心とした国会議員が参加した。
一連の動きは、中国共産党政府をいたく刺激したようだ。開会式に参加したことが明らかになった国会議員に対し、程永華中国大使から「日本での(世界ウイグル会議代表者大会)開催容認は中国に対する内政干渉」として、同会議と関係を絶つよう要求する抗議書簡が送られた。
また大会前の5月13日、日中韓首脳会談が行われている北京で、温家宝首相は野田佳彦首相に対し、ラビア・カーディル総裁ら世界ウイグル会議メンバーらに日本政府が入国ビザを発給したことについて、「テロリストを入国させるのは許せない」と厳しく抗議した。
中国外交部も、「中国司法機関から訴追された危険分子たちの大会開催を容認すれば、日本の安全にも害がある」とアナウンスしている。
2012年は日中国交回復40周年の年である。両国政府はこうした節目に、いつも「日中友好ムード」を煽ってきた。しかし、そんな雰囲気は石原慎太郎都知事の「尖閣諸島買い取り」表明と世界ウイグル会議代表大会開催問題で、完全に吹っ飛んでしまった感がある。
共産党政権に厳しく管理されてきたウイグル人
第4回世界ウイグル会議代表者大会には、世界20カ国から約120人のウイグル人が来日して参加した。カーディル総裁は記者会見で「日本への入国申請をしたのが約300名で、認められた者が大会に参加した」と明らかにした。
大会に参加しようとしたウイグル人の半数以上は、期日までに入国できなかった(あるいは日本政府に何らかの理由で入国を認められなかった)ことになる。ここには、明確に日本政府の意思が働いている。