欧州が騒がしくなっている。昨日ロンドンで会った英フィナンシャル・タイムズ紙のライオネル・バーバー編集長は静かにこう切り出した。「大変残念なことにユーロから離脱する国が現れるのはほぼ確実になった。私たちにはその用意が必要だ」。

ユーロ崩壊の足音がすぐ近くに聞こえる

今週のランキング
順位 タイトル
1 マハティール元首相、日本の政治にもの申す
2 ユーロ危機:ギリシャの離脱に備えよ
3 ついにとどめを刺される「全学連」
4 国に期待する者はバカを見る、自分を磨きなさい
5 先生は日本企業? 中国人が気づいた道徳的経営の価値
6 ギリシャ離脱の脅威:不幸は様々
7 資本主義:絶滅の危機に瀕する上場企業
8 中国の核心的利益、その実態を解き明かす
9 ギリシャ離脱が将来に残す禍根
10 ユーロ危機、調整か解体か、もう待ったなし
11 北方領土はこうしてソ連に奪われた
12 ユーロ圏の銀行取り付け騒ぎを止める唯一の方法
13 販売実績、決算が語る厳しい現実、海外メーカーに置いていかれる日本勢
14 不倫する女と男、その傾向と対策
15 ユーロを救う最後のチャンス
16 預金流出に揺らぐギリシャの銀行システム
17 混迷の時代に、「知らない」ことは効用だらけ
18 ついにユーロ安が始まった?
19 アナリストの非は問われないのか? コンプガチャ騒動とITバブル崩壊の相似点
20 油価で読み解くプーチン・ロシア最大の敵

 特定の国を名指ししなかったのは、言わずもがなであり、さらには1カ国にとどまらない可能性があるからだろう。

 鳴り物入りでユーロが誕生して(通貨の流通が始まって)10年目を迎えた2012年、その節目の年にユーロは最大のピンチを迎えている。

 ギリシャのユーロ離脱を意味する「grexit(グリグジット)」なる流行語まで生まれた。今週はFT紙を中心にユーロ問題を見ていきたい。

 この1週間にギリシャとユーロ問題を扱った記事は次の通りである。

●FT紙
ユーロを救う最後のチャンス
ユーロ圏の銀行取り付け騒ぎを止める唯一の方法
ユーロ圏の離婚に向け計画を立てる時が来た
ギリシャ離脱が将来に残す禍根~永遠に失われるユーロ圏の一体性への信頼
ユーロ危機、調整か解体か、もう待ったなし~脆弱な欧州は早急に変わらねばならない
危機を逃れ、ドイツ国債に殺到する投資家~安全資産としての資質に疑問の声も

●エコノミスト誌

ユーロ危機:ギリシャの離脱に備えよ

 1号さかのぼると次の記事がある。

ユーロ危機:欧州のアキレス腱
ギリシャ離脱の脅威:不幸は様々
スペインの銀行問題:突然の目覚め