欧州を恐怖に陥れた食中毒騒動、
夏の海外旅行は大丈夫か?

2011.08.05(Fri)白田 茜

 次に疑われたのは、スプラウトだ。アイグナー連邦消費者保護相は6月6日の記者会見で、「検査の結果、スプラウト40本のうち23本から大腸菌は検出されなかった」と発表。さらに調査が必要との見解を示していた。

 だが、このスプラウトも、汚染されたフェヌグリーク種子がエジプトから輸入され、ニーダーザクセン州の園芸農場で栽培されていた可能性が高いことが明らかになり、感染源の疑いは晴らされた。

 ドイツ当局はキュウリ、トマト、葉物野菜は生食を控えるよう呼びかけていたが、6月10日にドイツ連邦保健省から「安全宣言」が出されている。

 その一方で、風評被害による損失も出ている。一時、キュウリが感染源と疑われたことで、欧州各地でスペイン産野菜の購入が激減。風評被害による損失は2億ユーロ(約236億円)に上ったという。スペインのサパテロ首相はEUに補償措置を求める考えだ。

食中毒は「制圧」された

 患者数は5月22日をピークに減少に向かっている。7月25日現在、新たな患者は出ておらず、O104:H4による食中毒は速やかに沈静化したように見える。

 森田准教授は、こうコメントする。「“食品→人”の感染は起こったが、“人→人”感染の流行はなかった。すでに欧州では新たな患者は出ていない。4月下旬から5月中旬にドイツを訪問した人も、潜伏期間を考えると今から発症することはないだろう。今回は原因食材の特定と対策(流通停止や生食をひかえること)により制圧できた事例だ」

 事態が収束に向かったのは、速やかな感染源の特定と出荷停止・回収が行われたから、ということだ。

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