欧州を恐怖に陥れた食中毒騒動、
夏の海外旅行は大丈夫か?

2011.08.05(Fri)白田 茜

 欧州で猛威を振るった病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌)「O(オー)104:H4」による食中毒。夏休みに海外旅行の予定のある人は「大丈夫だろうか」と気になっているのではないだろうか。そこで今回は、O104:H4による感染症禍の経緯と現状を追ってみた。

 7月6日時点で、O104:H4による食中毒は16カ国で確認されている。ドイツを中心に、スウェーデン、デンマーク、フランス、オランダ、英国、オーストリア、スイス、ポーランド、スペイン、ルクセンブルク、カナダ、チェコ、ギリシャ、ノルウェー、そして米国でも症例が確認された。

 感染者は3993人、死者は52人に上る。患者の発生数はドイツ国内が3854名と9割以上を占めている。その他の国の感染者も、ほぼドイツ北部に渡航歴がある人たちだ。ただし、フランスとスウェーデンの症例には、ドイツへの渡航歴がないものもあるという。

 O104:H4がこれほどまでの集団感染を引き起こした例は、今回が初めてである。これまでは2000年代に韓国などで散発的に検出されたくらいで、国内外の専門家は注目してこなかったといってよい。

O104:H4感染に関する世界の状況(7月6日時点)
(出典:厚生労働省検疫所「O104:H4大腸菌のアウトブレイクについて

「O104:H4」は感染力が極めて強い危険な菌

 病原性大腸菌は、食料や飲料水を介してヒトに下痢や胃腸炎を起こす菌だ。中でも、O104:H4の特徴は、症状が極めて早く進行すること、そして、抵抗力が弱い小児・高齢者でなく成人の患者が多いということだ。成人の中でも特に女性の患者が多いのが、今までにない特徴と言われている。

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