2025年1月3日、第101回箱根駅伝、復路、7区を走る駒大の佐藤圭汰

(スポーツライター:酒井 政人)

青学大との差を一気に2分27秒も短縮

 箱根駅伝の復路。トップの青学大は6区終了時で2位の中大に3分49秒、3位の駒大に4分07秒という大差をつけていた。勝負は決まったかと思われたが、駒大は当日変更で7区に佐藤圭汰(3年)を投入。“ラストチャンス”にかけていた。

 駒大・藤田敦史監督は谷中晴(1年)の調子が上がっていなかったこともあり、佐藤を3区に起用するプランも持っていた。しかし、3区と7区、どちらのほうがアドバンテージを得られるのかを考えたという。

「3区は圭汰でもそれほど差をつけられませんが、7区なら差がつけられる。谷中も復調したので、復路でもう1回チャンスを作れると思って、戦略的に圭汰を7区に置いたんです」

 この采配がズバッとハマった。

 佐藤は18秒先にスタートした中大に4.7km付近で並ぶと、7km過ぎから引き離していく。そして見えない青学大の背中を追いかけた。10kmを28分21秒で通過するなど区間記録を上回るペースで攻め込んだ。そして区間記録(1時間01分40秒/明大・阿部弘輝)を1分近くも塗り替える1時間00分43秒という異次元の爆走を見せたのだ。

 トップ青学大との差を一気に2分27秒も短縮。両者の差は1分40秒となり、王者に強烈な一撃を浴びせることに成功した。佐藤の快走で駒大は復路新記録で復路Vに輝いた。