(ライター、構成作家:川岸 徹)
葛飾北斎や歌川広重、喜多川歌麿ら、浮世絵師の作品をもとに制作されたデジタルアートを楽しむイマーシブ展覧会「動き出す浮世絵展」。東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルで開幕した。
世界で人気のイマーシブ展覧会
新しいスタイルのアートエンターテインメント「イマーシブ(没入型)展覧会」が世界中で人気を拡大している。イマーシブ展覧会とは、壁面と床面をシームレスにつなぎ合わせ、既存のアート作品をベースにして作り上げたデジタル映像を投影。音楽や効果音、光、香りなどの演出を加えて、来場者に今まで味わったことのない没入感を体験してもらおうというコンテンツだ。2018年にフランス・パリに開館した「アトリエ・デ・リュミエール」がイマーシブ展の発祥といわれ、その後、世界各地の企業やクリエーターがコンテンツの制作に乗り出している。
オーストラリアのメルボルンに本社を置くGrande Experiences社が企画制作した「ゴッホ・アライブ」は世界100都市以上を巡り、900万人の動員を達成。日本にも上陸し、神戸、名古屋、東京、福岡を巡回。現在はGrande Experiences社の日本公開第2弾作品「モネ&フレンズ・アライブ」が全国各地を巡っている。
フランスのグラン・パレ・イマーシブとミュシャ・トラスト(ミュシャ財団)が共同制作し、2023年にパリで開幕した「グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ」も世界を巡回中。2024年12月に日本展が始まり、2025年1月19日までヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)で開催されている。
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