明るい雰囲気になるよう声のトーンにも配慮

 2年生の佐藤幹太郎君はキャプテン。昨年も「野球教室」に参画した。

キャプテンの佐藤幹太郎君(筆者撮影)

「4つのブース(コーナー)を作りました。去年はフライは手でボールを投げていたのですが、今年はテニスラケットでフライを上げて、実際の打球に近いようにしました。気を付けているのはやはり、子どもたちがけがをしないことですね」

――子ども達にはどんな声をかけていますか?

「まず一番は『明るく』ですね。声のトーンも気を付けて、言っていることがわかってもらえるようにしました。

 僕自身もキャプテンをしているので、僕たちの考えた通りで『野球教室』ができて、子どもたちも楽しんでいたので、僕も楽しめました」

――この野球教室は今年で3回目ですが、今年はどんな手ごたえでしたか?

「野球人口が減っている中で、野球を続けてもらう、楽しんでもらうことが目的で始めています。毎年アンケートも取って、その結果を受けてもっと楽しめるようにしたいと考えています。回数も重ねてきて、去年の結果から学んで、いろいろ工夫もできました。

 一言でいえば、体制がしっかりしてきたのかな、と思います」

 この日は、午前の部、午後の部それぞれ約50人が参加、ほぼ前年並みだった。

 グラウンドには、この「野球教室」を発案し、昨年まで実施してきた飯島佑教諭も顔を出し、野球教室を見守った。

「私は『野球を通じた学び』を目的としてこの催しを始めました。

 今年はさらに発展して、目的意識がはっきりして、選手たちの動きも深まっているなと思います。さらに意義深いものにしてほしいですね。

 宮田先生は、これまでも『野球教室』で一緒に取り組んでくださったので、目的や、どのようにすればいいかもわかっておられます。こういう形で取り組みが継承されたのは、本当に大きなことだな、と思います」

 筆者はいろんな高校の「野球教室」や様々な取り組みの取材をしてきたが、特に公立高校の場合、定期的な教員の「転任」があるため、そうした有意義な取り組みが、途切れてしまうこともしばしばある。多摩高校のように取り組みが継承されるのは、むしろ珍しいケースかもしれない。

参加者全員で記念撮影(筆者撮影)

 それだけでなく飯島教諭は、新たな赴任先の神奈川県立横浜翠嵐高校でも、今年から「野球教室」を始めた。2月1日、横浜市神奈川区や西区から集まった小学1〜3年生の児童42人が参加し、ストラックアウトなどの競技を体験した。

 こういう形で「野球を通じた学び」「野球普及」の活動が広がっていくのは素晴らしいことだと思う。こちらの「野球教室」にも注目したい。