新NISAの累計買い付け額は政府目標を大きく上回るペース
日本人は堅実な国民性ゆえに銀行預金偏重で、欧米に比べて「貯蓄」から「投資」への転換がなかなか進まないと指摘されてきた。だが、ここ2年の投資行動の変化を見る限り、新NISAがそこに風穴を開けたと言ってもいいだろう。
新NISAは開始から1年で434万口座を増やしたが、2年目は267万口座増(速報値、以下も)と、口座数の伸びは鈍化傾向にある。しかし、買い付け額の累計は25年12月末で71兆円と政府目標(27年末までに56兆円)を大きく上回るペースで推移している。
2025年の新NISA利用枠での買い付け額は約18兆8000億円。内訳は成長投資枠が12兆5600億円、つみたて投資枠が6兆2400億円だった。金融商品別の買い付け額は、年央時点では投資信託が6割強、株式が3割強を占めていた。
新NISAブームで投信の年末純資産残高は24年、25年と続けて史上最高を更新した。牽引役を果たしたのが三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズの「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー、愛称オルカン)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本で、NISAを意識して手数料(信託報酬)を大きく抑えた戦略が奏功し、純資産残高はともに10兆円まで膨らんでいる。
一方で、2年の間に市場環境の変化も見られる。日本銀行の利上げで、デフレが続いた日本にも“金利のある世界”が訪れ、世界的な地政学リスクの高まりから貴金属市場が高騰している。
制度が始まった頃は“BUY AND HOLD”のほったらかし投資ブームを背景に「オルカン一択」「S&P一択」という新NISA民が多数見受けられたが、投資対象も変わってきているという。