難易度の高いジャンプに挑戦しやすいルール変更
男子では2010年バンクーバー五輪で、4回転を跳んだエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)ではなく、4回転を跳ばなかったエバン・ライサチェク氏(米国)が金メダルを獲得した。3回転のコンビネーションなどを堅実に決め、ステップやスピンなどでも出来栄え(GOE)を積み上げた演技だった。
プルシェンコ氏はプログラムの精度で劣ったものの、「4回転を跳ばないのは男子フィギュアじゃない」と金メダリストの演技に皮肉を込めた。
バンクーバー五輪では、女子も浅田真央さんが代名詞でもあったトリプルアクセルをSPで1本、フリーでは2本跳んだ。同一大会での3回の成功は女子初の快挙だった。
しかし、結果は銀メダル。金メダルは、完成度で勝るライバルの金妍児(キム・ヨナ)さん(韓国)が手中に収めた。1992年アルベールビル五輪でも、女子で初めてトリプルアクセルを成功させた伊藤みどりさんも銀メダルだった。
フィギュアスケートは、プログラムの選曲も衣装も選手によって違う。それゆえに、スケーターの個性を生かしたプログラムの完成度が問われる採点競技だ。しかし、ジャンプがすべてではないにしろ、高難度のジャンプが競技の魅力を高めることも間違いない。
国際スケート連盟(ISU)は、バンクーバー五輪の男子で沸き起こった「4回転論争」後にルールを改正。4回転に挑戦しやすくなる土壌を形成した。
この結果、バンクーバー五輪からの4年で、男子は一気に複数の4回転時代が到来した。
そして、2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪を制したのが、4回転を駆使したプログラムを演じた羽生結弦さんだ。