4回転トウループに挑んだ女子選手
米国勢で24年ぶりの金を獲得したリュウ選手はジュニア時代、女子選手としては史上初めて一つのプログラムで、4回転ジャンプとトリプルアクセルを成功させた実績を持つジャンパーだった。
しかし、北京五輪後に一時引退からカムバックすると、2025年の世界選手権は、大技ではなく、坂本選手と同じく完成度を磨くスタイルで頂点に立っていた。
現在の潮流が、坂本選手を中心とした技術と表現力を組み合わせたプログラムの完成度で勝負する時代へと移り変わったことが印象付けられた五輪にもなった。
ただ、これで“大技”論争に終止符が打たれるわけではない。若い選手は4回転やトリプルアクセルという大技を携えていた。
17歳の中井選手はSP、フリーともにトリプルアクセルを成功。五輪で3回転半を跳んだのは、日本女子4人目の快挙だった。過去3大会連続金メダルのロシア勢から中立選手(AIN)として一人だけ出場した18歳のアデリア・ペトロシャン選手は、転倒に終わったものの、4回転トウループに果敢に挑んだ。
次の4年間は、新たな時代の流れが起きても不思議はない。
そもそも、「高難度ジャンプか、プログラムの完成度か」を問う論争は、いまに始まったことではなく、採点競技の難しさを物語る。