エレメンツの出来映えを高めて加点を重ねるスタイル
4年前の北京五輪では、ロシア(五輪にはROC=ロシア・オリンピック委員会として出場)の若い力が、4回転やトリプルアクセルを組み込んで躍動した。
女子の高難度ジャンプ時代の到来を予感させた一方で、同じくROCで金メダル大本命だった15歳のカミラ・ワリエワ選手にドーピング問題が発覚するなど、波乱の展開を見せた。
ミラノ・コルティナ五輪までの4年間は、ロシア勢が、ウクライナ侵攻によって国際大会から締め出された。
ロシア不在の女子フィギュアを牽引したのが、坂本選手だった。
大技を組み込まずとも、表現力を含めたプログラムの完成度に勝機を見出し、2022~2024年の世界選手権で3連覇した。スピードに乗ったジャンプはランディング後のスケーティングもスピードに乗って伸びるダイナミックさを兼ね備え、磨き上げた表現力と融合した芸術性が高い評価を得た。
大技を跳ばないことや、ロシア勢不在の中での世界女王にすぎない、などの心ない批判も受けた。しかし、一つずつのエレメンツの出来映えを高め、加点を積み上げるスタイルは間違いなく一つの時代を築いた。
突出したのは、表現力などを示す演技構成点だ。五輪も2位だったSPの演技構成点で唯一、全3項目で9点台を並べた。フリーも、ジャンプなどの技術点は9位だったが、演技構成点は他を寄せ付けなかった。