紀平梨花も参戦、日本の弱点・アイスダンスへの期待

 フィギュアスケートにおける今大会の大きな収穫はもう一つ、ペア競技の面白さに注目が集まったことだろう。

 言うまでもなく、りくりゅうペアの金メダルがもたらした功績であるが、ペア競技にはもう一つ、アイスダンスがある。日本では、これまでアイスダンスの選手が少なく、団体戦の弱点になっていた。今大会、団体戦では“うたまさ”(吉田唄菜選手、森田真沙也選手)ペアが躍動したものの、個人戦の出場資格は得られていなかった。

団体アイスダンス・フリーの演技を終え、あいさつする吉田唄菜(左)、森田真沙也組(写真:共同通信社)

 だが、近年、日本でもアイスダンスを始める選手が増えている。「氷上の社交ダンス」と呼ばれるアイスダンスには、ペアのようなダイナミックなジャンプや空中でのリフトはない。アイスダンスが競うのは、密着した二人の同調性であり、リズムや音楽表現であり、ツイズル・ステップ・ターンなどの高度なスケーティング技術である。

 バンクーバー五輪で銅メダルをとった高橋大輔さんがアイスダンスに転向したことで日本でも人気が高まり、昨年は紀平梨花選手が西山真瑚選手と組んで、アイスダンス新ペアを結成した。

2025年12月21日、フィギュア全日本選手権のアイスダンス・フリーの演技をする紀平梨花(右)、西山真瑚組(写真:共同通信社)

 スケーティング技術の高い日本人は、アイスダンスに向いている面があると思う。4年後の五輪で日本人アイスダンスペアがどのくらい活躍するか、期待したい。

“りくりゅう”の活躍が感動をよんでいるように、ペア競技には、「二人」ならではの関係性や物語が生まれる。それは個人競技にはないものだ。また、カナダやイギリスなど、「同性カップル」のアイスダンスへの競技参加を認める国も出てきている。時代に即したルール変更もまた、競技の幅を広げていくのではないか。

 ここ数年、フィギュアスケート人気が低迷しているとささやかれることがあった。だが、今大会の選手たちの活躍とともに、日本中の盛り上がりは、競技としてのフィギュアスケートの魅力を再確認させてくれた。