トランプと中国の狭間で日韓の距離が狭まる?

 聯合ニュースは10日付の記事で、「日本の軍事力強化への動きは中国が刺激しているからではないのか」と、中国からの脅威に日本が反応していると論じている。

 あるいは、日本批判を積極的に展開していたネットメディアのオーマイニュースでさえも、改憲発議のタイミングをうかがう日本国内の動きの背景について、「米中間の競争とロシアのウクライナ侵攻以降、世界秩序の核心は規範や制度から力と無理強いへと移っている」と指摘。そのうえで、日本政府が2022年に採択した安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)において、「戦後、最も厳しい状況にある」との文言を入れた事実を挙げ、そうした流れのなかで改憲の議論があることに理解を示している*2

*2개헌 없이 군국주의 부활? 다카이치 정권의 수상한 움직임 - 오마이뉴스

 韓国では日本に対する見方が確かに変わってきているようだ。10日に日本で開かれた政治学関係の学会にオンラインで参加し、延世大学校教授の政治学者である崔鍾建(チェ・ジョンゴン)氏の講演を聴いた。崔教授は文政権時代の2020年から2年近くにわたり、外交部の第一次官を務めており、「反日」の立場をとる傾向があるリベラル派のブレインとして活躍してきた人物である。

 私が特に驚いたのが、韓国社会が長らく固執してきた「正しい歴史認識」という言葉の「正しい」は見合わないのではないかと話していた点だ。崔教授は、歴史認識は国によってそれぞれ異なっているものの、日韓両国は対話や議論を通じて共通の歴史を記述することを目指すべきだといった趣旨の話をしていた。

 安倍政権とまったくそりが合わなかった印象の文政権でブレインをしたような人物からですら、このような融和的な発言が公の場で出たのが意外だった。

 しかもそのうえで、各国に無理強いをしてくるアメリカのトランプ政権に対して、日韓は手を取り合って対応すべきだと強く主張していた。自動車の関税交渉では日本が早々に妥結し、それがモデルになって韓国との関税交渉に影響し、結果的に韓国は苦しい条件をのまざるをえなかった。だが、あのとき、日韓で共に対応していれば状況が変わっただろうという。

 つまり、不安定な国際情勢のなかで、日本は韓国にとって必要な国だと思われているのだ。