2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪の開会式の様子。冬季五輪では毎回、雪不足が問題になっている(写真:スポーツ報知/アフロ)
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 (田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授) 

 冬季五輪のミラノ・コルティナ大会が開幕し、日本選手の活躍に注目が集まっている。

 イタリア北部での広域開催となり、8競技116種目が4つの会場群で実施される。フィギュアスケートなどの氷上競技はミラノ周辺が舞台となり、雪上競技などは主に山岳地域に分散して実施されている。

 冬季五輪は近年、地球温暖化による雪不足などの影響で、開催可能な候補地の減少が深刻化している。一方で、肥大化する夏季五輪の開催都市の負担軽減を狙い、フランス・アルプス地域で行われる2030年冬季大会では、一部の夏季競技の移行が検討されていることが明らかになった。

 冬季五輪はいま、大きな変革を迫られている。

雪不足が深刻な問題となる冬季五輪

 冬季五輪の将来は不透明——。

 日本の複数メディアが、米国の気候研究組織「クライメート・セントラル」が2026年1月に発表した気候変動に関するレポートの内容を相次いで報じている。

 気温上昇や積雪量の減少が冬季五輪の大会運営に影響を与えており、ミラノ・コルティナ大会の会場群の一つ、コルティナ・ダンペッツォは、70年前の1956年に冬季五輪を開催したときと比べ、2月の平均気温が3.6度上昇したという。

70年前の冬季五輪と比べて2月の平均気温が上がったというコルティナ・ダンペッツォ(写真:AP/アフロ)

 この時期の積雪も少なく、競技の安全性や公平性の観点を踏まえ、今回の五輪では約230万立方メートルの人工雪が必要と指摘しているのだ。

 近年の開催都市では雪不足は決して珍しいことではなくなった。前回、2022年の北京五輪もほぼ100%が人工雪での実施だった。

 その前の2018年平昌五輪(韓国)も、中日新聞の当時の記事がスキーやスノーボードの山岳会場で大会前まで人工雪による整備に追われた様子を紹介。2014年ソチ五輪(ロシア)、2010年バンクーバー五輪(カナダ)でも、雪不足に関する話題は、開幕前の恒例ニュースとなっている。

 五輪に限らず、アルペンスキーやモーグルの国際大会などが雪不足による中止や会場変更を余儀なくされるケースが報告される。