夏季五輪の一部競技を冬季五輪へ?

 IOCは、冬季五輪以上に開催都市のコスト負担が大きい夏季五輪の肥大化抑制のため、「氷と雪」でのスポーツという冬季五輪の枠組みそのものにもメスを入れようとしている。

 コベントリー会長が開催時期の前倒しを検討していることを明らかにした2月4日には、IOCの作業部会から夏季の一部競技を冬季競技へと移行させる構想があることが示されている。

冬季五輪の開催時期の前倒しを検討していると語ったカースティ・コベントリーIOC会長(写真:代表撮影/アフロスポーツ)

 競技区分の見直しには、「雪や氷の上で実施される競技は、冬季競技と見なす」と定めた五輪憲章の改正が必要になるが、IOCは2026年6月に決定する2030年大会の実施競技において、移行を実現させる可能性があると報じられている。

 夏季五輪の競技には、冬季五輪に比べて、多くのスポーツが集中しているのは事実だ。

 2028年ロサンゼルス五輪では、史上最多の36競技、351種目が実施される予定で、大会規模はさらに膨らむ。

 これに対し、雪や氷という競技のベースとなる資源がある国・地域が限定される冬季は、今回のミラノ・コルティナ大会も92カ国・地域から約2900人の選手に限られる。

 直近の夏季大会である2024年パリ五輪では、200を超える国・地域から1万人超が参加したことと比較しても大きな開きがある。

 ただし、2032年に開催予定の豪州・ブリスベンでの夏季五輪では、財政不安から実施競技が大幅に絞り込まれる見通しとなっている。

 そこで浮上したのが、一部競技を冬季大会へ移行させる案で、肥大化を抑制させ、夏冬の規模のバランスも多少なりとも調整するというIOCの思惑がみてとれる。