「冬の時代」が続く日中関係

 メディアの選挙予測通りに高市自民党が圧勝すると、日中関係は改善しないだろう。

 2010年9月に、尖閣諸島で中国漁船と海上保安庁の船が衝突し、漁船の船長が逮捕され、日中関係が緊張した。しかし、年末には日中首脳会談が行われ、関係改善へと向かった。ちなみに、この年、GDPで、日本は中国に抜かれ、世界第3位に転落した。

 2012年9月、日本政府が尖閣諸島を国有化したために、日中関係が悪化した。この年は、日中国交正常化40周年の節目であったが、中国各地で反日デモが起こり、日本製品がボイコットされた。

 この年11月には、習近平が政権に就き、12月には総選挙で勝った安倍が首相になった。

 その後も日中関係の緊張は続いたが、2017年に両国は関係改善の方向に舵を切り、2018年には安倍が訪中した。安倍の政権が長期政権となったためである。それでも、関係改善までには5年が必要だったのである。

 今回の日中対立は、いつまで続くのか。高市政権が選挙で勝てば、今の習近平の姿勢では、何年続くか分からない。2027年には3期目の任期を終えるが、その後も続投する構えである。

 しかも、15年前とは日中の力関係が変化しており、中国の対日依存度は大きく低下している。今回、日本製品のボイコット運動が起きないのは、中国人がもう日本製品は買っていないからである。自動車が典型的だが、中国製のEVが席巻している。AIなどの最先端技術でも、日本は大きく遅れをとっている。

 レアアースの輸出が規制されれば、日本経済は回らない。南鳥島沖の海底からレアアースを含む泥を採取するのに成功したと喜んでいるが、すぐに実用化が可能なわけではない。

 極論すれば、日本は中国なしには生き残れないのに、中国はそうではない状況になっている。この冷酷な事実を直視して、対中関係の再構築をせねばならないが、高市にそれは可能だろうか。