例えば、兵庫県議の年間報酬は1454万円、国民健康保険料は(神戸市在住 40歳以上の場合)上限109万円です。これに対し、法人の理事の報酬は年間14万400円であれば、社会保険料は4万890円と、約105万円の差があり、法人に対し月3万4000円の会費を差し引いても、年間約64万円安くなります。厚労省によれば、令和4年の国保加入者は約2400万人で、一人当たりの平均保険料は年間約9万円でした。

 先月まで、京都市の一般社団法人の理事に就任していた地方議員は、月3万4000円~5万円の会費を支払い、月1万1700円の理事報酬を受け取っていました。理事としての業務は、金融・会計などに関するアンケートに月2回答えたり、制度に関する知識の研鑽に取り組んだりという、明らかに名目上の仕事です。

維新だけの問題か

 結局、2026年1月15日、日本維新の会は実態調査を行った結果、兵庫県議ら6人が関与していたことと、その6名に除名処分を下したことを発表しました。中司宏幹事長は記者会見で「わが党所属の地方議員が脱法的行為に関与していたことについて、国民の皆様方の納得を得られない事態を招いたということについて、深くお詫びを申し上げます」と述べ謝罪しましたが、まだまだこんな程度ではすまないと私は思います。同様の手口に手を染めている者が維新所属議員の中にいる可能性は否定できないですし、他党にそういう議員がいても不思議ではありません。

所属地方議員の「国保逃れ」に関して、記者会見する日本維新の会の中司宏幹事長=1月15日(写真:共同通信社)

 実際、静岡県島田市の三村隆久市議は「国保逃れ」を認め、1月24日に自民党を離党しています。

 元々維新の秘書や地方議員には、自民崩れが多いのですから、自民党にも大々的に波及する可能性は大きいと思われます。旧安倍派の裏金議員を総選挙の候補者として「完全復活」させた高市首相には、維新にこの問題を糾す資格も度胸もないでしょうし、自民党も可能性があると懸念しているのでしょう。

日本維新の会から除名処分を受けた元杉並区議の松本光博氏は「国保逃れ」の手法を「国保料を下げる改革」として自らが経営する会社のサイトでアピールしていた