そして、健康保険と年金は基本的にセットで加入します。そのため、「“国保逃れ”をしている人間が、国民年金も本来の金額を支払っているとは思えない」というのが識者たちの意見です。

小泉内閣を揺るがした閣僚の「年金未納」問題

 議員の「国保逃れ」を報じる記事の多くが年金について触れていない点について、複数の会計士が『国保と国民年金はセットなのに、年金のことが書かれていないのは不思議だ』と証言しています。

 年金は国民の義務とされ、納付しなかった場合は督促状が出て、差し押さえに至る可能性もあります。2004年は政治家の年金未納が大問題になりました。

 小泉内閣の7人の大臣の未納・未加入が問題化し、やはり未納が判明した福田康夫官房長官はその職を辞任、これらを追及していた民主党代表の菅直人氏にも実は未納があったことが分かり代表を辞任するという事態になりました。年金保険料の未納はそれほどの大問題なのです。それは現代においても何ら変わりません。政治家という立場にある者が、保険料を納付していたとしても、所得に比べあまりに少額だということが判明すれば、これも「国保逃れ」と同様、大問題になりかねません。

 今回、発覚した一般社団法人を使った手口について、改めて少し説明します。一般的に公的医療保険のうち、議員や個人事業主が加入するのが、「国民健康保険」。そして、会社員は企業の組合健保や協会けんぽ、公務員は共済組合に入ります。その大きな違いは負担額です。

「国民健康保険」の保険料が全額自己負担に対し、組合健保や協会けんぽは会社と折半。つまり「国民健康保険」の方が負担額が高くなるとされている中、維新の議員が一般社団法人で、収入の少ない理事に就任し、その収入に応じた負担率により、本来歳費として支給されている金額よりはるかに負担額の低い社会保険に切り替え、保険料を安くしていたことになります。