衆院選で高市政権が「信任」されたら…
では、日本政府は本当に非核三原則の見直しに進むのでしょうか。
高市氏は今回の衆院解散を決めた後、報道機関の質問に対し、「自分から非核三原則の見直しは指示していない」と文書で回答。1月26日の党首討論会で非核三原則を見直す可能性について問われると、「何があっても国民、日本国の領土、領海、領空を守る態勢をつくる」とだけ述べ、見直しを実行するかどうかには言及しませんでした。
しかし、総選挙の結果次第では、安保3文書の改定に合わせて非核三原則を見直すだろうとの見方は強まっています。
高市氏は1月19日の会見で、「予算成立のあとに政府が提出しようとしている法律案、これもかなり賛否の分かれる大きなもの。だからこそ国会が始まる前に国民の皆さまの信を問いたい。信任をいただけたらこれは力強く進めてまいります」と語りましたが、法律や政策の具体的な中身に触れなかったことから、安保政策も含めて“白紙委任”を求めているのかとの批判が沸き起こりました。
2025年暮れには高市政権を支える首相官邸の幹部が報道陣に対し、「日本も核兵器を持つべきだ」と発言したことが大きく報道されています。
日本をめぐる安全保障環境は様変わりしていますが、国内外で信を得てきた「被爆国日本の非核三原則」を手放していいのかどうか。広島市長や長崎市長、ノーベル平和賞を受賞した日本被爆者団体協議会などは、日本政府への抗議を続けています。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。高田氏の近著に『調査報道の戦後史 1945-2025』(旬報社)がある。