(写真:siro46/イメージマート)
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ファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、うつ病で休職中の40代男性会社員が健康保険から傷病手当金を受給しているものの、手取りが少ないことに愕然とし、家計の見直しにやってきた相談事例をご紹介します。

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

 相談にやってきたのは40代の会社員Oさんと奥様。Oさんは、精神面に不調をきたし、やる気が起きず、朝も起きられなくなってしまったとのこと。精神科を受診したところ、うつ病と診断され、しばらくの間、会社を休職することになりました。

 そこで、「傷病手当金」を受給することになったのですが、傷病手当金の支給中にも社会保険料や税金の支払いがあり、当初想定していたよりも手取りが少ないことが判明。夫婦で家計を見直すために相談にいらっしゃいました。

うつ病でも傷病手当金は支給される

 まず、Oさんが受給している「傷病手当金」の概要について確認していきましょう。

 傷病手当金とは、会社員や公務員など健康保険に加入している被保険者が、業務外の病気やケガで働けなくなった際に支給される給付金です。病気やケガで会社を休むと、経済的な不安が大きいと思いますが、傷病手当金は、休職中の収入減少を補うありがたい給付金です。

 給付対象の疾患は、がんや心疾患、骨折などの病気やケガに加えて、うつ病などの精神疾患も対象になっています。自宅療養で休職する場合も支給対象になります。

 具体的な支給要件は、以下の通りです。

・業務外の病気やケガであること

 業務内の病気やケガの場合は、労災保険からの給付が受けられます。

・労務不能の状態であること

 仕事ができない状態であることを証明するために医師の診断が必要です。

・連続して3日間休んだあと、4日以上仕事ができない状態であること

 ここでいう3日間は「待機期間」と呼びます。この待機期間を過ぎた4日目から受給することができます。この支給されない3日間は、年次有給休暇があれば、利用すると良いでしょう。

・休業中に給与の支払いがないこと

 傷病手当金は給与が支給されない、もしくは少ない場合の補填をする給付金制度ですから、給与をもらっている場合は支給されません。給与が傷病手当金の金額より少ない場合は、給与と傷病手当金の差額が受け取れます。