(写真:ideyuu1244/イメージマート)
目次

ファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、15年ほど前に変動金利で住宅ローンを借りた40代夫婦が、最近の金利上昇で今後の住宅ローンの返済が不安になり、住宅ローンの見直しの相談にきた事例をご紹介します。

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

15年間、借り換えてこなかった40代夫婦

 今回、ご相談にやってきたのは、40代の会社員B男さんと奥様のE子さんご夫妻。15年前に大手都市銀行で、借入金額6000万円、返済期間35年、変動金利で住宅ローンを組んだとのこと。最近、住宅ローンの金利が上昇してきたことで、今後のローンの支払いが不安になりご相談にいらっしゃいました。

 ご夫妻が借り入れている住宅ローンの適用金利は1.5%程度。昨今の金利水準と比べると高い時期に住宅ローンを組んだようですが、これまで特に問題なく返済ができており、ローンを借り換えるとなると面倒だと思いなかなか重い腰が上がらなかったようです。

 ところが、マイナス金利が解除になってから金利は上昇傾向になり、B男さんの住宅ローンの適用金利も当初よりも上がったとのこと。それで慌ててしまったようです。

 B男さんは、これまでの低金利の状況から変動金利で借りていれば、金利は下がるものと思っていたのに一向に下がるどころか上昇してきているので、不安が募ったようでした。

 確かにB男さんがローンを借りた頃と比べれば、変動金利の金利も下がってきていたように思いますが、この頃に住宅ローンを借りた方は高い金利のまま借り続けているケースが少なくありません。

 では、既に変動金利で住宅ローンを借りている人の金利が下がっていないのはなぜなのでしょうか。