若い世代の住宅購入が増えている(写真はイメージ、beauty-box/Shutterstock.com)
マンションなど住宅価格の高騰を受け、「今のうちに買っておかないと、一生マイホームが持てなくなる」とばかりに、20代の若者が住まいを購入するケースが増えている。20代であれば高額の住宅ローンでも返済計画をじっくりと立てられるかもしれないが、先の長い人生何が起こるか分からない。果たして、若いうちにマイホームを買うのはアリかナシか──。住宅ジャーナリストの山下和之氏がレポートする。
新築マンション購入者の6人に1人は20代
いま、20代で住宅を買う人がどのくらいいるのか。リクルートSUUMOリサーチセンターのデータを見てみよう。
【図表1】は、首都圏で新築マンションを買った人たちの契約時の世帯主年齢の構成を示している。2014年には20代の割合は12.5%だったのが、2015年には15%台、2024年は16.3%に増えている。10年で20代の割合は3.8ポイント増え、新築マンションを買った人のおよそ6人に1人が20代という現状だ。

反対に、住宅購入の適齢期といわれる30~40代の割合は、2014年の76.8%から、2024年には66.4%と10.4ポイントも減ってしまっているのだ。
新築戸建住宅も同様の傾向が見られ、20代の割合は、2014年には12.0%だったのが、2024年は15.5%となり、10年で3.5ポイント増えている。
マンションにしろ、戸建住宅にしろ、住宅購入年齢は年々若い世代の割合が高くなっている。
ライフステージをみても、若い世代が増えているのは間違いない。【図表2】は、前出のリクルートSUUMOリサーチセンターの調査にて、新築マンション契約時のライフステージ別の割合を示している。

必ずしも20代というわけではないが、若い人たちが中心の、シングルや夫婦のみ世帯の割合が急速に高まっていることが分かる。
「シングル男性世帯」「シングル女性世帯」の合計は2014年には9.8%だったのが、2024年は17.6%と7.8ポイントも増えている。
このシングルに「夫婦のみ世帯」を加えた合計は、2014年に44.5%だったのが、2025年には50.8%と半数を超えるほどに増えているのだ。
実際、新築マンションや建売住宅の販売現場を訪ねると、「このところ急速に若い人が増えている」「見学者の2、3割が20代」という物件も少なくないという。